2007-12-28 詩 『霧雨』 漆黒の鏡の上を 幾つものヘッドライトが滑ってゆく こんな寒々とした夜でも 雨は優しく やわらかく 帽子をつたう コートをつたう 頬をつたう そして、語ってゆく 「さみしいんだね 満たされないんだね でも、そろそろ 君は、気づくよ 君自身の中にも、確かな優しさが在る事を そして、それが 何よりも、君自身を温めるのだという事を」 空は今夜も誰かの代わりに、涙を流すのだった